
行動することで
克服できる!
この本はなぜ書かれたのか?
それは、著者が様々な人が「心の問題」を抱えていると気づいたからだ。経営者もサラリーマンも、働く女性も、主婦たちも。ほとんどの人が不安や心配、悩みなどの心の問題を抱えていると気づき、心の問題の克服に成功した処方箋をまとめたものとしてこの本は書かれている。
とはいっても、この本にはなにも新しい事が書かれているわけではない。黄金律や聖書の言葉、古くから伝わる基本的な真理についてを簡単に言い直して解説してくれている本だ。あと必要なのは、行動する方法だと言っている。
では、どうやって行動するのか。
まずは、7章ある省全体を速読し、そのあと精読する。そして読みながら内容について考えることが重要だ。読んでいて役に立つと感じたら線をひく。何度も読み返し、読んで終わりにせず「行動」する。原則から外れたときは、家族に指摘してもらったり、自分自身で修正したり、日記をつけるのもよい。
不安や悩みをどうやって消していくのか。
それは、過去や未来をみるのではなく“今”を生きるということ。過ぎ去った過去をくやんでも何も変わらないし、まだ来ぬ未来を心配してもしょうがないのだ。
そして“今”の現状が不安な時は、まず起こりうる最悪の事を考える。そしてそれを受け入れる。そこから改善方法を見つけ出す。よっぽどのことがない限り、命まで取られることはないからだ。
また健康でいることが本当の成功である。心の問題は、体の機能低下が原因ではなく、無力感、欲求不満、不安、悩み、恐怖、敗北、失望が原因なのでどんなに頑丈な人でも、悩んでいると病気になる。
問題を消去するには、事実を集めることも重要だ。問題は何か、出来ることは何か、何をすることに決めたか、それをいつから始めるか、を書きだすと良い。
人は仕事が終わった時や何もしていないとき、心は真空状態になりやすいので最も不安に取り付かれやすくなる。だから不安の治療法は、何か前向きなことに完全に集中することなのだ。そして行動することなのだ。そして心配や不安は、意外と的中しないことの方が多いものだ。
では幸せになるためには、どうすればよいのか。まずは、思考を変えることだろう。思考が変われば行動が変わる。行動が変われば人生が変わる。思考の力は、人間の能力をも変えるからだ。思考を変えることによって、男性も女性も、不安、恐怖、病気を振り払い、人生をも変えられることを知っているからだ。
本書を読み実践すれば、仕事や人間関係、プライベート、全てにおいての悩みから自由になれることだろう。
著者は、アメリカ・ミズーリ州に生まれる。セールスマンなどの仕事を経たのち、YMCAの夜間学校で「話し方」講座の講師として働く。その中で人を見方につける能力や、人に影響を与える能力が大切と気づき、対人能力についての良いテキストがなかったため自分で書いたものが書籍となった。ビジネス書・自己啓発書の名著として現在も世界中で広く読み継がれている。